転職は気力と根性が必要だ。
今の会社を退職して、次の会社に入る。
転職を簡単に表現するとそういうことだが、その間に相当なプロセスと気持ちのコントロールが必要だ。
一通りの流れに沿って転職成功の確率を上げられるように、各段階で意識すべきことを挙げてみる。
ネガティブな作業
まず、今の会社をどう辞めるか考えることから始める。
とりあえず、大きく分けて2つの理由のパターンで考える。
①会社が嫌になったパターン
とりあえず、何が嫌かを箇条書きで書きまくってみよう。
多いほど良い。
嫌なんだから。
辞める時には必ず、なんでやめるか説明を求められる。理由が弱いとなかなか辞める方向に持っていけなかったりする。
よっぽど「使えない」or「嫌われている」のでなければ必ず止められるだろう。中途半端な理由だと、引き止められたり、もう少し続けてみよう!っていう奇跡のリカバリーに期待した提案を受けることになる。
ここで、「こんなに熱心に引き止めてくれた!」って感動したのなら留まっても良いかもしれない。でも、辞めるって言いだす決心をしている人であれば、そんな中途半端な気持ちで行動を起こしてほしくない。必ず後で後悔する。
もし、今の会社にある程度の未練を感じているなら、まだ退職を切り出すのは早い。
辞めるなら辞める!明確な理由が語れるようにしよう。
ここをスムーズに乗り切ることは重要だ。ここで体力えお使ったり、精神的にダメージを受けると後が続かない。
「もう嫌」「もう無理」と思ったまま仕事を進めても自分のためにならない。
より良い仕事、生活を手に入れるためにスパッと辞めよう!
②何かやりたい事があって辞めるパターン
こちらは今の会社が嫌でも嫌じゃなくても特にそこは考えなくてよい。やりたい事を具体的に話せるようにしておこう。その時は楽しそうに、希望にあふれた感じで。
やりたい事がぶっ飛んだ事で、否定されても熱意をもって伝えよう。
また、「それならうちに残ってもできる」という言葉にも騙されないように。
基本的には、無理だ。もし、そういわれる可能性がある場合(部署間移動や転勤など)は事前に自分で調査し、考えを持っておこう。
ここは①と同じで、ひるまずにスパッと辞めることが大事だ。うまくやりたい事が伝わった場合は、逆に応援してくれるはずだ。
これからパワーを必要とするため、応援してくれる人がいると頑張れる。
会社を辞める時の状態
ベストは次に就職先が決まっているパターン。これがあれば、あまり先のパターンは考えなくてよくなる。
また、給料が途切れることがなく、次も決まっているので、辞めることのストレスが軽減される。説得も楽になる。
嫌だからと言って先に辞めると、その時はすっきりしても次が決まるまでに心の余裕がなくなり、次の転職先も焦りや妥協が生じて成功率が下がる。
また、出来るだけ感情に任せて突然辞めたり、精神的に立ち直れなくなってから辞めるのも避けたい。
仕事をしながらの転職活動はしんどいが、収入が途切れない部分の精神的な安定は重要だ。極力妥協をせずに、良いところが見つかるまでやる事が大切なので時間がかかることがある。そうなれば特に収入がないとやっていけない。
転職中は今の会社の仕事は、それなりでよい。迷惑かけない程度でやろう。
次の会社を探す
ここは是非楽しんでやろう。
人生をリセットするチャンスだし。
一生懸命、徹底的に調べて、希望をもった転職をしよう。
どうやって探すか
転職活動の方法は主に3パターンある。
①転職サイトを使う
②入りたい会社のHPの採用ページから応募する
③ツテやコネを使う
ぼくは3回転職をしたなかで、どれも1回ずつ経験した。
その中で、一番良かったのは①転職サイトを使うことだったので、メリットとデメリットを挙げてみる。
<メリット>
・希望の職種の中から合いそうな会社を選別して提案してくれる
⇒世の中には数多くの会社があり、それを1つずつ調べるのは大変だ。それを面談によってこちらの希望を聞き取り、提案してくれる。そして、その提案が的を得ているかどうかをこちらでジャッジしてフィードバックすることで、どんどん精度の良い提案をしてくれるようになる。
また、これは転職サイトでのエージェントを申し込んだ際に実施してくれるものとなる。まさしくCMで流れているような二人三脚での転職活動となる。
転職サイトに登録してエージェントに頼らないのは、ほぼ、意味のないことに思えるくらいだ。
当然、エージェント登録に関しての費用は掛からない。
・エージェントからしか提案されない求人がある
⇒こういうのは、優良なものが多い。登録した際には、これを餌にエージェント登録をバンバン進められる。めんどくさがらず、素直に登録することをお勧めする。
・マンツーマンで相談に乗ってくれ、心の支えになってくれる
⇒時には厳しく、自分の身の丈を教えてくれ、時には励ましてモチベーションをアップさせてくれる。また、企業での面接が終わった後に連絡をくれ、自分のフォローと共に、その後の企業へのフォローもしてくれる。それが評価アップにつながるかどうかは別にして、マイナスとはならないはずである。
・就職希望先にナイスなアシストをしてくれる
⇒推薦文であったり、企業に対しての面接状況の聞き取りや、本人が伝えきれなかった事を代弁して伝えてくれたりする。また、その企業がどういう人材を欲してるかを過去の実績や、直接の聞き取りから把握していることも多いため、そこに合わせた対策も取ってくれる。
実際にぼくの場合は、最終選考に残った10人のうち、そこまでの評価は5番目くらいだったようだ(採用は1人)。その情報を事前に仕入れて、守りではなく、攻めのアドバイスをくれ、見事採用されることとなった。
<デメリット>
・エージェント登録しないと勝手な会社紹介メールがばんばん入って、ただ鬱陶しいだけ
⇒転職サイトに登録するなら、エージェントにお世話にならないと意味がない。
ただそれだけ。
・途中で転職を辞めずらい
⇒やはり、転職してもらってなんぼの世界なので、どうにかして転職をさせようとしてくる。
・現実を突き付けられて、上を目指せないことがある
⇒デメリットかどうかわからないが、今までの経歴で現時点での自分の評価を数値化され、その内容だけで進められると高みを目指せない状況となる。
応募範囲を制限される(○○歳で、この学歴、経歴、職種なら年収はこんなもんが妥当。。。とか)
②は希望があって、転職サイトにも掲載が無ければ直接応募でも良い。僕の場合は2回目の転職の際に、応募もしていない会社に勝手に履歴書を送って採用してもらった。
(今はそういうやつが減っているらしいが、それ以前に募集していないところに応募するのは、実際にはちょっと迷惑なことである。。。笑)
③はいわゆる紹介ということだが、よっぽど条件が良くないとあまり勧めない。
ぼくは1回目の転職はこれだが、条件とか、人間関係とかをしっかり交渉出来て、納得をしてからでないとのちのちトラブルが起こるとこが多い。
大変だった。。。
最適な転職活動方法は?
転職の際の履歴書、面接は、学生の時の就職活動のものとは内容が全然違ってくる。
実際に働いた経験がある(経歴ができてしまった)ほど、より仕事に対して明確な内容にしないといけない。
そういう面では、先に書いた通り転職のプロに頼る事が理想に近づく一番の方法という事がわかる。新卒の就活の際には、新卒の立場での就職対策をしたはずだ。
適格なアドバイスと手厚いサポート、周囲の人に相談しづらい時に励ましてくれるのは、転職のモチベーションを落とさず、心強い味方となってくれる。
書く方(履歴書・職務経歴書)
「自分の経歴は大したこと無いなー」と思いながら履歴書を書き、「何書いたらいいかわからない」というのが職務経歴書かと思う。
ぼくは当初、そんなイメージで漠然と書いていた。
いろいろと「書き方サイト」も見ながら書いてはみたが、当時は何が正解か分かっていなかった。
後に感じたのは、履歴書も面接もポイントは下記の2つに絞って考えてよいと言う事だった。
・会社にとってどう役立つか(何が出来るか)
・案件に対しての実現能力はあるか
第一関門
ぼくは、最も重要なのは面接だと思っている。
ただ、第一関門である書類審査を通らないと、面接には進めない。
この審査を乗り越えるためにはどうすればよいのか。。。
まず手書きか、パソコン入力かですが、ここはもうどちらでも良い。
今は、Web上で指定のフォーマットに記入するものも多くあるし。
履歴書
とりあえず、学歴・職歴は何も考えずさらっと書く。
職歴部分には、簡単明確にどんな事をしていたか書く。
営業なら、どんなところに営業していたか。研究職なら、どんな事を研究していたか程度のこと。
志望動機は、しっかりその会社のことを調べて書こう。
ただ、各内容はそれほど深くなくてよい。会社の事業の概要を捉えて、入りたい部門に自分がどうフィットするかを簡単に書く。
ここでは時間を使わず、職務経歴書で詳しく語るほうがよい。書く欄も小さいしね。
あと、趣味は無くても何等か書いた方が良い。コメントも添えて。
面接する側も、その人を知るための質問のきっかけとなる。
職務経歴書
第一関門で重視するのはこっち。
自分のやってきた事をできるだけ具体的に書く。
書けそうなプロジェクトは出来るだけ書いて、それをどうやって進めて、どんな成果が出たか。具体的な数字も交えて書く。また、そのプロジェクトを進めるうえで、自分のどういうスキルを活かしたかも書けると良い。
プロジェクト名や結果を並べただけでは、その人がプロジェクトにどこまで関わって、どういう働きをしたかがわからない。
たとえ、プロジェクトリーダーじゃなかったとしても、その人がうちの会社に入ったら、どんな働き方が出来るか想像できるかどうかが重要だ。
面接の為のネタ作りもここで一緒に考えておく事もできる。
最近は、実際に選考側も経験しているが、経歴書には素晴らしい実績が書いてあるが、実際会って面接したところ、中身がスカスカだったりする事が多い。
素晴らしい実績を並べて書類選考をパスする方法はあるが、話してみるとほぼばれる。そういう人に共通していることはプロセスが語れないのと、しっかり説明が出来ないところだ。
職務経歴書は自分がどんな人間か、その会社にとってどういうメリットをもたらすか。読んだ人がしっかり想像できる内容にする必要がある。
また、職務経歴書に定型書式は無いため「わかりやすく」「印象付ける」事が大切だ。
ぼくの場合はやってきたことを出来るだけ多く書き、掘り下げたい案件はがっつり、自分がどうかかわって、どんな成果をもたらしたかを書いた。
一覧と、深堀り資料(写真等の成果がわかるものがあれば、それも表示して)をそれぞれの会社に合わせて微調整しながら作成した。
自分は、大した経歴も無ければ、語れる働き方もして来なかったと思う人も、とりあえずやったことを、ばーっと書く事から始めてみてほしい。
一気に書けなかったら、数日に渡って書こう。何か浮かんでくる事があるはずだ。
この準備期間中に常に考えておくことは、選考する人に、いかに「こいつはうちの会社で能力を発揮しそうだ」と思わせられるかという事である。
言う方(面接)
仕事にとって一番大事なのは、コミュニケーション能力だと思う。
仕事は社内、社外の多くの人の協力が必要であり、その成果も関わり方次第でガラッと変わる。
面接とは自分の事をアピールする場であるうえに、面接という関係性でうえの立場の、さらに初対面の人と話す状況にある。
書類選考を通過して、多少、他の選考者より経歴の面で劣っていたとしても、隣に置いて仕事をしたいと思わせられれば、こっちのもんだ。
まず、どう話し始めるか
自己紹介と志望動機は履歴書に書いた事をかみ砕いて話せばよいので、それを想定しておく。
本題はそこからの展開。
なぜ前職を辞めたかは必ず聞かれる。
「御社が魅力的だったから。。。」
という一言で終わればいいが、そんなわけはない。
ネガティブな理由だとしても、ある程度本当の事を話せばよい。
大事なのは話し方だ。
残業時間が長い場合 ⇒ 拘束時間の長さを少し大げさに語っても良いので、勉強の時間が持てないとする。
メンタルがやられた場合 ⇒ スキルアップを目的に転職することに置き換える。メンタルに問題があるという印象はあまりよくない。
前職で働いた期間が短かった ⇒ 自分のやりたい事ではなかったとスパッと言っても良いだろう。「うちに入って仕事が合わなければ、すぐ辞めるか?」と確実に聞かれるので、その時は「御社については十分調べたから」と根拠を語るとか、「どうしても上司と合わなかった」と話しても良いだろう。
転職時の面接に関しては、まずは会社の事は出来るだけしらべて、ある程度の本音でしゃべることが大切だと思う。一度社会人を経験している人間として、答える事が大切だ。
ライバルは多種多様
おそらくライバルは年齢も経歴も実績も様々である。
業種はある程度特定されたとしても、そこそこビジネスマン化している人がライバルである。それはピンキリではあるが、必ずしもその採用期間の中で一番「デキる」人を採用するわけではない事を知っておいて欲しい。
ではどういう人を採用するかというと、会社やその時のニーズに一番フィットする人という事である。それをどう察知するかは面接で聞くのが一番良い。逆質問で聞いてみよう。多くの会社は面接は2回あるはずだ。
1回目にある程度察知して、2回目にさらに寄った答えができれば、採用は手に届くところまで来るだろう。
聞かれるばかりではなく、積極的に聞こう。
それはコミュニケーション能力の評価にもつながるし、「うちの会社に興味を持っている」という事を印象付けられる。
自己分析、会社分析を入念にして、アウトプットの練習、あとは転職したい気持ちを、ちゃんと会話(面接からの置き換え)して伝えられれば良い。
それを限られた時間内で実行できるためにも、いろいろと想定しておくことが大切だ。
終わり。