やりたいことがある。行きたい会社がある。
それには東京(とか遠方)の大学に行かないと!
でも親には頼れないし、学費は奨学金とバイトでなんとかするしかない!
という、学生さん(ここでいうのは高校生か)
少し違う角度から選択肢を増やしてみませんか?でないと、のちのち苦しむ事がある。
少し遠回りになっても、選択肢を持ちながら理想の自分に近づける方法を書きたいと思います。
貧乏学生から貧乏社会人へ
やりたい事をやるにはあの大学へ行かなければ!
実家からは通えないから、下宿を借りて一人暮らしだ!
と、学費も生活費もほぼ自分でなんとかする前提で、大学進学を目指す人。
こうなるかもしれないという1例を書いてみます。
自分はどんな状況になっても、理想の為にはやっていける!
と、思っていても知っておいた方が良い事もあります。
大学時代にかかるお金
下記に必要な費用の項目をざっと挙げてみる。
- 入学金
- 授業料
- 施設設備費(施設費・実習費・諸会費など)
- 教科書・教材購入費
- 住居にかかる費用(家賃・各種初期費用・引っ越し費用など)
- 生活費(食費・交通費・通信費・光熱費・家具・家電・服・寝具・日用品など)
- 交際費(遊び・趣味・飲み代など)
- 20歳からの社会保険料
この内容で、仮に4年生私立大学(理系)の4年間でかかる費用のトータルを出すと。
約1,500万円となる。
内訳は学費500万円に生活費1,000万円くらい。
さて、どうしようか。
取り合えず、奨学金をもらおう。バイト頑張ろう。。。
くらいに思って、希望に満ち溢れる大学生活を夢見て勉強するのは、別に悪い事ではない。
でも、ちゃんとお金のところの計算をしておいて欲しい。
できれば、親からある程度の援助がある人でも。
まずは大学時代をやっていけるのか?
とりあえず、入学金や教材、引っ越しや家具家電等の初年度の始めにまとまって必要なお金は200万円程度必要とかんがえる。
そこは、自分で用意するのはなかなか厳しい面があるので、家族の援助等があって乗り越えたと仮定する。
そこからは自分でなんとかするというパターンで考えてみる。
ひと月に必要なお金を計算してみる。
授業料は年間120万円とすると、ひと月10万円。
生活費は家賃5万程度でできるだけ切り詰めて、ひと月15万円とする。
この時点で、ひと月25万円必要となる。
そのお金をどう捻出するかだが、バイトだけでその金額をためるに、は時給1000円とすれば毎日9時間くらい働いてやっと稼げる金額である。そうなると、バイト漬けの毎日となり、学校に行けず、本末転倒である。
そこで、奨学金をもらう事とする。
ひと月6万4千円の援助をしてもらうとして、それでも毎日6時間くらい働くこととなる。
当然、多少なりとも親から援助があったり、もっとギリギリの生活をして1月の生活費が切り詰められればバイトの時間は減らせるが、それもかなわないことがある。
どうしてもお金が足りなくなって、借り入れをする事も出てくるかもしれない。
そうなると、やる気と希望に満ちた大学生活がどんどん違う方向に進んでいってしまう。
やりたい事や、どうしても入りたかった会社が霞んでいく。。。
まず、ここで1度失敗(後悔)することがあるだろう。
こんなはずじゃない
なんとか、学生時代は乗り切って、ある程度希望の会社に入れたとする。年収は、大卒の新卒から3年間くらいを平均すると300万円と仮定する(全国平均として)
ボーナスも平均して手取りが大体20万円あるとすると、奨学金をひと月6万4千円だけ借りていたパターンだと、ひと月の返済は1万5千円足らずなので、生活費17万円くらいと遊ぶお金が1万5千円の計算で行けばなんとかなる(奨学金は無利子が前提)
それが、先に書いた通り、月に奨学金を6万4千円借りても、バイトの必要労働時間を考えると、学生生活はバイト漬けになってしまう。他から借金すると、その時は勉強に集中できたとしても、どんどん借金は膨らんでいく事になる。
ひと月の学費と生活費が25万円必要だとして、奨学金を6万4千円借りて、バイトを無理のない程度で週5で1日4時間働き、月8万円。あとは、足りない分の5万6千円程度を別で借りてくるとする。
そうなると、社会人になってからの返済は、奨学金と追加で借りたものを合わせると、月3万5千円ほどになると思う。。。これはどの程度生活に影響するのか。。。
社会人になって気づく
いざ社会人になって、給料をもらい始め奨学金や借金を返していこうとなった時、ある程度の年収があれば大丈夫だが、そうではないと希望にあふれた社会人生活が、最初から借金返済のための生活になってしまう。
これを新卒の給料で返済していくとなると大変だ。。。
まずはそこに気づかないといけない。
ある程度親から援助があったとして、少し奨学金を借りるとしてもそれは、聞こえのいい借金という事をしっかり理解しておかないといけない。
早めに、社会人になった時点での自分の財政状況が想像出来ていたら、就活時の希望内容も変わってくるかもしれない。
20代前半で300万とか400万とか借金を抱えた状態になる自分をちゃんと想像しておいてほしい。
月々返す金額を考えると、年収は重要になってくる。本当に理想だけでは決められなくなってくる。
また、その借金を返済し終わる頃、もしくは返済中に、結婚したり子供が出来たりすることもあるだろう。その時に貯金は出来ているのか?
もしくは、彼女(彼氏)がいて結婚するという話になった時に、奨学金だとしても借金として認識され「そんな状態では結婚できない」と、別れるというケースは往々にしてあるようだ。
というわけで、せっかく希望を持って入学した大学生活が大変で、さらに、やっと就職できたのにすぐに借金返済に追われる日々となり、それが原因でライフプランにも影響を与えることがある。
それでも、理想のために自分で学費や生活費を払って希望の大学に行くのか?
もし、そうしなくても、別の道から自分の理想を実現する方法があるとしたら?
近道か遠回りか
「やりたい事があるから」とか「あの学部に入らないと」というのは、少なからずあると思います。そのためには、過酷な状況になっても頑張れる!という事であれば頑張れば良いと思います。
ただ、別のやり方もありますよーっていうのも、選択肢の一つとして知ってても良いかもしれません。
いざ、社会人になった時に多額の奨学金(借金)を抱えた状態ではモチベーションも半減する。下手したら、そこまでやって思い描いた道に行けない。もしくは、途中でやりたい事が変わる可能性がある。
近道と思っていたことが。。。
例えば、
「建築士になって独立したい!」
「そのためには有名建築事務所や大手ゼネコンに入らないと!」
「そのためには良い大学に入らないと!」
という意気込みで受験勉強を頑張り、地方から有名私立大学の建築学部に入学したとする。夢への第一歩を踏み出せ、ここまでは順調だ。
でも、家庭の事情で学費も生活費も自分でなんとかしなければならない。
ここでいろんな道が出現する。
①成功例:なんとかバイトも勉強も就活も頑張り、大手に入れた
②まあまあ成功例:なんとかバイトも勉強も就活も頑張り、そこそこの会社に入れた
③失敗例:バイト、勉強に挫折して夢をあきらめて入れる会社に入った
④失敗例:遊びに目覚めて、大学時代は遊び惚けた
ーーー
①の場合は、言う事なし。すごい精神力だと思うし、今後も期待できる。
②も頑張って欲しいが、前回の記事に書いた状況になるかもしれない。
③前回の記事の状態になる可能性大。
④論外。
念のため書いておくが、これはあくまで、ある程度学費や生活費を自分で負担する場合であり、家族の援助があった場合はまた別である。
学生時代、ぎりぎりの生活で頑張ったとしても、うまく理想の会社に入れるかどうか分からないし、その先もどんな生活になるかは分からない。
むしろ、お金やプレッシャーに負けて挫折したり、別の事をしたいと思ったときには修正が利きづらくなっている。
これは、ほかのどんな道筋をたどるとしても、成功するか失敗するか「分からないものは分からない」のだが、もっとリスクを抑えて上手く理想に近づく方法もある。
上記のような流れが、単に近道だとは限らないことがわかると思う。
遠回りしてみる
これはなかなか勇気が必要で、人生経験が無いと後の成功をイメージするのが難しくはあるが、有効な手段がある事を知っておいて欲しい。
学生時代に無理せず、就職してからも仕事やプライベートを充実させるためにはどうすれば良いか?
お金を使わないようにする事が大事
当然、必要な投資をすることは大事だが、しんどくなるほどの投資はしなくても良いと言う事。
どんな夢や理想を持っているかにもよるが、往々にして有名大学(もしくは大学自体に行くこと)に行くことが必須事項ではない。
その時は遠回りか、むしろ夢はかなわないかも。。。と思うかもしれないが、そこのモチベーションさえ保つことが出来れば何とかなる。
実家から通える大学や専門学校。もしくは高卒で会社に就職しても良いと思う。
お金で無理をしない。
その先の人生設計を明確にしていく事により、転職を前提にステップアップしていく事で着実に理想や夢に到達することが出来る。
無理をせずに成功する方法とは?
とはいえ、遠回りは嫌だと思っている人も多いと思う。
ぼくも高校時代には考えてもみなかった。
無理をしないことのメリット
先を見据え実家から通える学校に入ったとする。まず生活費の心配はほとんどしなくてよくなる。とりあえず学費を払っていければ良い。それであれば月に約10万円ほど計算しておけば良いので、少しの奨学金とバイトでなんとかなるだろう。
生活リズムや健康面でも安定するため勉強に集中することが出来る。また、バイトの時間も減らせ、洗濯や食事の用意もおそらく親がしてくれるだろうから、生活にかかる負担や時間とお金も削減できる。
そうなれば、有意義に遊ぶこともできる。学生時代にはしっかり遊ぶことも大切。
ステップアップの中身
地元で落ち着いて先を見据えながらしっかりと勉強し、それ以外の事もいろいろと経験しよう。それは人としての魅力につながる。いろんな経験がある事は就職の際に有利だ。いろいろと語れることは間違いなくメリットとなる。
現代は、だいぶ学歴社会の風潮が薄れてきている。雇用体系も変わってきており、要は実力社会となっているため、出来るやつは必要とされる。
そこに負い目を抱くのは、モチベーションを維持するうえで邪魔となるので気にしないようにしよう。
計画的にステップアップしてきたり、成りあがってきた人間は魅力的だ。
ここで、理想や夢を叶えるまでのシミュレーションをしてみる。
・金銭面を考慮した結果、地元の学校に入る
↓
・勉強に集中し、いろんな経験をする
↓
・その間に学生~社会人(30歳まで)のビジョンを明確にする
↓
・やりたい事の情報をしっかり集めて、いろんな人と会う
↓
・その情報を基に就職活動をする(ここでは最終目標じゃなくて良い)
↓
・次の転職をイメージして就職をする
↓
・タイミングが来たら、転職活動を始める
↓
・数回繰り返しても良いので、最終的には理想に到達する
という感じ。
こう見ると遠回り感はあるが、数社経験することは、最終的に理想に到達した時点での自分の強みともなるはずだ。転職の合間に、一旦2か月くらい海外旅行に行くのも可能だし、趣味を充実させることもできる。
これは学生時代に苦労して、借金をして、社会人になって返済にプレッシャーを感じながら生活するよりは、魅力的に見えないか?
高校生の時にこのストーリーを思い描くのはなかなか難しいが、有効な方法だと思うのでこれからの選択肢の一つとして考えてみて欲しい。
おわり。